皮ふ科 その他の疾患・症状

乾燥肌

乾燥肌になると・・・

乾燥肌おとなこども皮膚が乾燥するとバリア機能が低下するため、外からの刺激に敏感に反応し、湿疹やかゆみなどを起こしやすくなります。

乾燥肌の原因

バリア機能が未発達であることに加え、冬場の空気の乾燥、部屋の空気の乾燥などが主な原因となります。

乾燥肌の治療

治療の基本は、こまめな保湿剤の使用です。
また湿疹がある場合などには、ステロイドの塗り薬、抗アレルギー薬の飲み薬なども使用します。
保湿剤にはさまざまな種類がございますので、患者様のお肌・症状に合ったものを処方いたします。

肌が乾燥しないように予防しましょう
  • お部屋の湿度は50~60%ほどが理想です。
  • シャワー、お風呂のお湯はぬるめにしましょう。
  • 身体をゴシゴシと擦らないようにしてください。石鹸やボディソープを泡立てて、手のひらで洗ってあげることをおすすめします。
  • 入浴後は、保湿剤を使用してください。

乳児湿疹

赤ちゃんの乳児湿疹~発疹に驚かないでください~

赤ちゃんは、生後1カ月頃から皮脂の分泌が盛んになります。
そのため、この時期に湿疹が出ることは珍しくありません。慌てる必要はありませんが、お早目に一度ご相談ください。
アトピー性皮膚炎との鑑別も重要になりますので、その可能性を考慮して診療いたします。慢性の経過と強い痒みが重要な鑑別点となりますので、正確な鑑別には経過観察が必要です。

お子様のお肌の特徴

外界からの刺激から身体を守るための皮膚の機能を「バリア機能」といいます。その中で特に大きな役割を担っているのが、皮膚の一番外側の層である角質です。
お子様の場合、この角質の厚みが成人の3分の1~半分ほどしかありません。しかも、皮脂の分泌量は以下のように月齢・年齢とともに変化します。

1)新生児期

お母様から受け取っているホルモンによって、皮脂の分泌量が維持されます。

2)乳児期~思春期前

生後2~3ヵ月頃皮脂の分泌量が低下していき、小児期は皮脂が少なくなります。

3)思春期前

性ホルモンの分泌が始まるため、皮脂も増加しはじめます。

乳児湿疹の治療

お風呂に入るときや身体を拭くときには、強く擦らないように注意し、処方する保湿剤も使っていただきます。
炎症が強い場合には、ステロイド外用薬を使用することもあります。
乳児湿疹をしっかり治療し、皮膚のバリア機能を高めておくことが、その後のアレルギー発症の予防に寄与するという学説が注目を集めております。その真偽には更なる検証が必要と思われますが、少なくとも乳児湿疹はしっかり治療するに越したことはないと思われます。

白癬(はくせん)・水虫

白癬(はくせん)と水虫はどんな病気ですか?

カビの一種である「白癬菌」が、足指のあいだ、足裏、足の爪、陰部、手、体、顔、頭などに感染して起こる病気です。
そのうち、足に感染したものが、いわゆる「水虫」です。

足白癬(あしはくせん)・水虫の症状

症状によって大きく以下のように分類されます。

1)趾間型(ジクジク型)

皮膚が白くふやけて、ジクジク湿っているタイプです。湿った皮は剥がれてしまいます。
主に、指趾(ゆび)のあいだに生じます。

2)小水疱型(ポツポツ型)

水ぶくれができるタイプです。赤み、かゆみを伴うこともあります。
足裏、足裏近くの側面、足指のあいだなどに生じます。

3)角質増殖型(カサカサ型)

角質が厚くなり、表面がカサカサ、ザラザラしている状態です。白っぽく見えるものの、かゆみはあまりありません。
主に足裏に生じます。

その他の白癬(はくせん)

白癬菌は身体の様々な部位に感染し、多彩な症状を呈します。

1)爪白癬

爪が混濁して、分厚くなります。爪がもろくなるため、爪を切ると内部が崩れることもあります。

2)体部白癬

体の様々な部位に白癬菌が感染し、ピンク色の発疹が広がります。発疹の周辺部が濃く、中心部が淡い傾向があります。

3)頭部白癬

頭皮にうっすらとした環状のピンク色の発疹ができます。重症化すると、脱毛し、膿が出ます(ケルスス禿瘡)。
犬や猫などのペットからうつったり、柔道部などの格闘技の部員で流行することがあります。

白癬(はくせん)・水虫は人にうつるの?

直接の接触だけでなく、マットやスリッパなどを介して人にうつることがあります。
感染部の角質がはがれおち、それに触れた程度でも感染の可能性があります。また、はがれ落ちた角質の白癬菌は、そのままで数週間生き延びると言われています。
マットやスリッパを共用しない、こまめに掃除をする、素足で歩かず自分専用のスリッパを履くといったことで、感染のリスクを下げることができます。

白癬(はくせん)・水虫の診断

白癬のように見える発疹でも、まったく別の病気の場合も少なくありません。
当院では、他の発疹との鑑別が必要な場合、顕微鏡検査を実施させていただいております。発疹の一部をピンセットで採取し、顕微鏡で菌の有無を確認するため、正確に白癬を診断できます。

白癬(はくせん)・水虫の治療

抗真菌薬の外用による治療が基本となります。
角質が厚くなっている場合、白癬菌が爪・頭皮に感染している場合などには、抗真菌薬の内服が必要です。ただし、近年は爪白癬用の外用薬も普及してきました。

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎はどんな病気ですか?

脂漏性(しろうせい)皮膚炎とは、顔面や頭部といった皮脂分泌が活発な部位にできる湿疹です。
乳児期前半と思春期~成人期に起こる病気であり、そのうち特に乳児に生じるものを乳児脂漏性皮膚炎と呼びます。

脂漏性皮膚炎の症状

頭皮、髪の生え際、眉間、耳の後ろ、鼻のわき、あるいは腋や胸などに、以下のような症状が現れます。

  • 赤い発疹
  • 黄色い付着物
  • 粉が出る
  • フケ(頭部)
脂漏性皮膚炎の原因

はっきりとした原因は分かっていませんが、遺伝、環境、ストレスなどが影響して発症するものと考えられています。
また、常在菌のマラセチアは皮脂を栄養源としていますが、マラセチアが皮脂を分解して生じる遊離脂肪酸も、脂漏性皮膚炎の原因となると言われています。

脂漏性皮膚炎の治療

ステロイド外用薬が有効です。多くの場合、短期間で症状の改善が期待できます。
ある程度落ち着いたら、再発予防のために、マラセチアをやっつける抗真菌外用薬を使用することもあります。

手湿疹

手湿疹はどんな病気ですか?

炊事、洗濯する方(特に主婦の方)によく見られる手の湿疹です。
頻繁に手を洗う料理人、医療従事者、シャンプーや染毛料やパーマ液を使用する美容師・理容師にも起こりやすいと言えます。

手湿疹の症状

指先、指のあいだ、指全体・手全体などに、以下のような症状が現れます。

  • 乾燥、ひび割れ、あかぎれ
  • 水ぶくれ、ジュクジュクとした湿疹
  • 皮むけ
手湿疹の原因

水、洗剤、薬剤、アレルギー物質、その他化学物質に長時間または日常的に触れることを主な原因とします。

手湿疹の治療

乾燥に対しては保湿剤を、湿疹やかゆみに対してはステロイド外用薬を使用します。
手袋を使用するなどの対応も必要です。
皮膚を保護するために、ハンドクリームを頻繁に使用することも大切です。症状に合った外用剤をご提案させていただきます。

あせも(汗疹)

あせもはどんな病気ですか?

高温多湿の環境などで大量に汗をかき、汗の正常な排出が妨げられて起こる発疹のことを指します。

あせもの症状

小さな赤い発疹が、かゆみを伴って、汗をかいた部位に生じます。かゆみのない透明の小さな点が多発する場合もあります。

あせもの原因

夏場などの高温多湿の環境下で汗をたくさんかき、そのことで汗管が一時的に詰まることで、汗が正常に排出されずに発疹をきたします。
発熱時や運動直後、夏場などはあせもが起こりやすいと言えます。

あせもの治療

炎症が強い場合には、ステロイド外用薬を使用します。
かゆみが強い場合には、抗ヒスタミン薬を使用します。
頻繁に繰り返す場合には、収れん・保護作用のあるローションで予防することもあります。

乾癬(かんせん)

乾癬(かんせん)はどんな病気ですか?

皮膚の角化と肥厚、炎症を伴う病気です。
乾癬は大きく、尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬紅皮症、急性滴状乾癬に分けられます。

乾癬(かんせん)の症状

全身のさまざまな部位で皮膚が赤く盛り上がり、銀白色の付着物(鱗屑)が生じ、その後ボロボロと剥がれ落ちます。
鱗屑をはがすと出血することもあります。ときに強いかゆみを伴います。

尋常性乾癬

全体の約9割が、尋常性乾癬です。
1つ1つの皮疹が大きくなり、皮疹同士がくっついて1つになります。

関節症性乾癬

皮膚症状だけでなく、関節の痛み・変形を伴います。関節リウマチとの鑑別が重要です。

膿疱性乾癬

一部の皮疹がジュクジュクと膿んできて、その中に膿疱が生じます。皮膚症状に加え、高熱、関節痛、全身のむくみ、倦怠感などの症状も見られます。入院が必要となることが多いです。

乾癬性紅皮症

皮膚症状が拡大し、全身の90%以上に及ぶタイプです。皮膚の機能低下によって体温調節が難しくなり、発熱・倦怠感を伴います。

急性滴状乾癬

風邪、扁桃炎などに続き、全身に水滴のような大きさ・形の紅斑が急激に出現します。

乾癬(かんせん)の原因

遺伝的要素に加え、ストレス、肥満、糖尿病、高血圧、生活習慣の乱れ、感染症、薬剤の影響などが重なり、免疫機能の異常をきたすことで発症します。

乾癬(かんせん)の治療

ステロイド外用薬とビタミンD3外用薬の組み合わせが、治療の中心となります。近年はステロイドとビタミンD3の混合軟膏も使用できるようになり、便利になりました。
また、必要に応じて、ビタミンA誘導体、シクロスポリン、PDE4阻害剤などの内服もおこないます。
上記の治療で十分な効果が得られない場合は、紫外線治療や生物学的製剤などの可能な施設を紹介させていただきます。

とびひ(伝染性膿痂疹:でんせんせいのうかしん)

とひびはどんな病気ですか?

とびひとは、細菌が皮膚に乾癬することで引き起こされる病気です。正式には伝染性膿痂疹と呼ばれます。
患部を掻いたり触ったりすることで、他の部位へと「飛び火」するように拡大することから、このように呼ばれています。

とひびの症状
水ぶくれを伴う水疱性膿痂疹

まず赤み、かゆみを伴う水ぶくれが生じます。水ぶくれが破れると、びらん(ただれ)が生じます。水ぶくれの中の液体を触った手で他の部位に触れると、症状が拡大していきます。
夏場を中心に、お子様によく見られます。

かさぶたを伴う痂皮性膿痂疹

まず赤みが生じ、次いで水ぶくれが生じます。水ぶくれが破れるとびらんとなり、それが厚いかさぶたへと変化します。
その他、発熱、リンパ節の腫れ、のどの痛みなどの症状を伴うこともあります。

とひびの原因

虫刺され、あせも、湿疹などを掻いたことなどでできた傷、アトピー性皮膚炎でバリア機能が低下した皮膚などに、細菌(黄色ブドウ球菌、A群β溶血性レンサ球菌)が感染することで発症します。
これらの細菌は、健康なヒトの皮膚や咽などに存在する常在菌です。

とひびの治療

まずは皮膚をよく洗うことが重要です。
症状が軽く、部分的である場合には抗菌薬の入った塗り薬により治療します。症状が重い、全身に拡大している場合には、さらに抗生剤の内服治療を追加します。
強いかゆみに対しては抗ヒスタミン薬を使用します。
また、ステロイド外用薬を使用する場合もあります。

いぼ(尋常性疣贅:じんじょうせいゆうぜい)

いぼ(尋常性疣贅)はどんな病気ですか?

皮膚の一部が盛り上がって生じるできものを一般に「いぼ」と、正式には「尋常性疣贅」と呼びます。

いぼ(尋常性疣贅)の症状

足裏、足指、手のひら、手指などに、隆起したしこりが生じます。通常、複数以上が同時に発生します。
足のイボを触ってしまい、手に拡大することもあります。

いぼ(尋常性疣贅)の原因

ヒトパピローマウイルスの感染を原因とします。ヒトパピローマウイルスにはさまざまな種類がありますが、尋常性疣贅の原因となるのはヒトパピローマウイルス2型や57型などです。

いぼ(尋常性疣贅)の治療

液体窒素を用いた冷凍凝固法が一般的で、当院でも第一選択としております。液体窒素を含ませた綿棒を患部に押し付ける処置を何度か繰り返すことで、イボを凍結・壊死させます。イボはその後剥がれ落ちます。
治療は、1~2週間ごとに行います。
液体窒素でなかなか治らない場合には、漢方薬のヨクイニンエキスを内服します。数か月間の長期内服を要することが多いです。

水いぼ(伝染性軟属種)

水いぼはどんな病気ですか?

水いぼとは、お子様によく見られるウイルス性の皮膚感染症です。

症状

2~3ミリの光沢のあるイボが皮膚上に発生します。痛み、かゆみなどはほとんどありません。
時に、強いかゆみを伴う湿疹化もみられます(モルスクム反応)。

原因

伝染性軟属腫ウイルスへの感染を原因とします。ウイルスは、水いぼに触れること、潰して中の液体と触れることで自分の他の部位や他人へと感染します。
皮膚同士の接触、あるいはタオルなどの共用によって感染するケースが多いようです。

治療

放置していても、いずれは自然に治りますが、数が少ないうちに除去する方が、早く確実に治ります。
当院では、希望される方には、水いぼをピンセットで摘まんで除去するか、液体窒素による冷凍凝固法を実施させていただきます。ピンセットで除去する際は、事前に痛み止め成分の入ったテープを貼ることをお勧めします。
乾燥肌やアトピー性皮膚炎などがあると、皮膚のバリア機能が低下し、水いぼの増悪につながりますので、保湿や湿疹治療も重要です。

わき汗・わきの多汗症

わき汗のこのようなお悩みがありませんか?

下記のような症状がある場合には、腋窩多汗症が疑われます。

  • インナーやシャツだけでなく、上着まで汗が染みてしまう
  • 激しい運動をしたわけでもないのに腋に多量の汗をかく
  • 白いシャツの腋の部分に黄色いシミができる
  • 制汗剤や着替えを忘れると不安になる
  • わき汗が気になって日常生活に支障をきたしている
腋窩多汗症(えきかたかんしょう)はどのような病気ですか?

わきに多量の汗をかいてしまうことを指します。特に、体温が高くなったとき、緊張しているときには症状が強く現れます。
全身に広く分布するエクリン腺、腋(腋窩)・乳輪・外陰部に集中するアポクリン腺からの汗の分泌量が多かったり、汗腺そのものが多かったりすることで、腋に多量の汗をかきます。
アポクリン腺を原因とする場合には、ワキガの症状をきたすこともあります。

腋窩多汗症(えきかたかんしょう)の治療

外用療法が第一選択です。エクリン腺からの汗の分泌を抑制する抗コリン薬を外用します(保険適応あり)。塩化アルミニウムを外用する方法もあります(保険適応なし)。
十分な効果が得られない場合には、神経と汗腺の伝達を阻害して発汗を抑えるボトックス注射も実施可能です(基準を満たせば保険適応あり)。
いっぽう、粘り気のある汗でワキガが強く、日常生活に支障が出ている場合には、アポクリン腺を除去する手術が必要な場合があります。手術を検討する場合には、専門施設を紹介させていただきます。
また、当院では多汗症の漢方治療にも取り組んでおりますので、興味のある方はぜひご相談ください。

うおのめ

うおのめはどんな病気ですか?

足の裏、指などで、皮膚の角質が円形で厚くなった状態を指します。
ハイヒールなど、足の裏の一部に負荷が偏る靴を履く機会の多い女性によく見られます。

うおのめの症状

足の裏、指の皮膚の角質が円形に厚く・硬くなっていきます。
うおのめの中央には芯があり、この芯が神経を刺激するために強い痛みを伴います。
一見うおのめにそっくりなイボ(足底疣贅)もありますので、鑑別診断が重要です。

うおのめの原因

足裏は通常、土踏まずを除いて均等に体重がかかっているのが理想的です。
形の合っていない靴、ハイヒールなどを履くことによって体重が一部に集中してかかることで、うおのめが生じます。

うおのめの治療

ペディ―と呼ばれる器具で削り、角質を軟化させる薬を外用します。芯が深く刺さっている場合には、ハサミやメスで芯をくりぬき、除去させていただきます(月2回までは健康保険が適用)。
足底疣贅の場合には、液体窒素による冷凍凝固法を行います。

うおのめの予防

靴は自分の足に合ったものを選びましょう。また、ヒールは高すぎないもの・つま先部分が狭すぎないものを選ぶことをおすすめします。最近は、シューフィッター(足の形を分析して相性のいい靴を教えてくれる専門家)のいる靴の販売店も増えてきましたので、そういったお店を選んでアドバイスをもらうのもよいでしょう。シューフィッターの在籍するお店は、「足と靴と健康協議会」のホームページで検索できます。
また、治療でうおのめを除去しても、患部への圧迫が続く限り再発します。そのため、治療とともに靴を足に合ったものに変える必要があります。

巻き爪・陥入爪(かんにゅうそう)

巻き爪と陥入爪(かんにゅうそう)の違い

巻き爪とは、単に爪が丸くなっている状態のことを指します。
一方で陥入爪は、爪の角が軟部組織に刺さり、炎症を起こしている状態を指します。爪が巻いているかどうかは関係ありません。爪が巻いていない場合もあります。
ただし、巻き爪を原因として陥入爪が起こることもあります。両者を合併しているケースは少なくありません。

巻き爪・陥入爪(かんにゅうそう)の原因
巻き爪

深爪、靴が合っていない(つま先が狭い・サイズが大きすぎる等)、外反母趾などを原因とします。

陥入爪(かんにゅうそう)

主な原因は深爪です。そのため、痛いからといって爪の角を短くすると、さらに症状が悪化します。
また、巻き爪を原因として陥入爪が起こることもあります。

巻き爪・陥入爪(かんにゅうそう)の治療
治療

軽度の陥入爪では、テーピング法のみで治癒します。当院では丁寧にテーピングの方法を説明させていただきます。
テーピングでは不十分な場合には、保険適応外ですが、巻き爪マイスターという矯正具による治療も受けられます。
爪がかなり食い込んで歩けないほど痛い場合には、切れ込みの入ったチューブを爪と皮膚の間に挿入するガター法を実施させていただきます。局所麻酔が必要です。

予防

再発予防も重要です。ポイントは下記のとおりです。

巻き爪・陥入爪(かんにゅうそう)

爪を深く切らない

爪の角も丸く切らず、四角く切るように気を付けてください。

足の形に合った靴をはく

シューフィッター(足の形を分析して相性のいい靴を教えてくれる専門家)に相談して靴を選ぶのがお勧めです。シューフィッターの在籍する靴の販売店、「足と靴と健康協議会」のホームページで検索できます。

よく歩く

背筋を伸ばして、踵から足を地面につけ、つま先で地面を蹴って歩きます。

切り傷・すり傷

切り傷・すり傷はなどけがをした場合、どうしたら?

[1]応急処置
1)流水で洗う

土、細菌、その他異物を除去するため、流水にあてて傷口を洗います。
消毒液は、傷口を修復しようとする細胞を破壊して治癒を遅らせてしまうため、特に必要ありません。

2)傷口を保護する

すぐに手に入る被覆材(ドレッシング材)または絆創膏で、傷口を覆ってください。
※軽い傷なら自然に治ることも多いですが、できるだけ早くきれいに治すために医療機関を受診することをお勧めします。当院では、大人でも子どもでも、傷に応じた適切な処置をさせていただきます。軽い傷でも、遠慮なく受診してください。

[2]当院での処置
  1. 傷口を丁寧に洗浄し、異物を除去します。
  2. 深めの切り傷の場合は、局所麻酔の上、縫合させていただきます。小児などで、暴れて縫合できない場合は、皮膚接合用テープで代用させていただく場合もあります。
  3. 抗菌薬などの軟膏を塗布し、その上から被覆材を貼ります。
  4. ケガをしても、人には傷を自然に修復する機能が備わっておりますが、傷口に細菌が感染すると、治りが遅れたり悪化します。そのため、感染のリスクがあると思われる場合は、抗菌薬の軟膏や内服薬を処方させていただきます。
[3]家庭でのケア

被覆材を貼ったまま、普段通りの生活を送ります。お風呂にも、貼ったまま入って構いません。

基本的には、1日1回、傷の手当てをします。タイミングはいつでも構いませんが、風呂上りなどが便利と思います。

  1. 被覆材をはがして、傷口をシャワーなどでやさしく洗浄します。熱めのお湯よりも、ぬるい水の方が痛みが少ないです。
  2. きれいな手やヘラで、処方された軟膏をたっぷり目に塗って、その上から新しい被覆材を貼ってください。傷口から膿が出たり、周囲が赤く腫れたりする場合は、細菌感染を合併している可能性が高いため、被覆材を使用せず、抗菌薬を塗ってから、ガーゼ保護とします。

※傷口から染み出る液で被覆材全体が膨らんだ時や、被覆材がはがれてしまった時も、同様に貼り替えます。ただし、頻繁に被覆材を貼り替えると、治りが遅れることがあるので、お気を付けください。被覆材の外側が汚れてくると貼り替えたくなりますが、傷口から滲み出る浸出液を被覆材の中で保持することが重要ですので、多少は我慢してください。

傷を早くきれいに治すコツ

大切なのは、傷口を乾燥させないことと、感染を起こさせないことです。
※傷口を完全に乾かした方がいいというのは誤りです。傷口の治癒において重要な役割を果たすサイトカインが十分に働かなくなります。傷の早期の、またきれいな治癒のためには、被覆材によって適度に湿潤した環境を維持することが大切です。市販されている商品でいえば『モイスキンパッド』などをおすすめします。完全密封型の被覆材は細菌感染のリスクとなるため、お勧めしません。
完全密封型の被覆材(『キズパワーパッド』など)を貼って、なるべく貼り替えないという考え方もあります。細菌感染を伴わなければそれでもいいのですが、感染を合併して不良肉芽となってしまった場合は難治化しますので、当院ではお勧めしません。

このようなときはすぐに受診しましょう

以下のような場合には市販の被覆材などで処置するのではなく、必ずすぐに医療機関を受診してください。

  • 深い切り傷
  • 広範囲の擦り傷
  • ヒトや動物の咬み傷
  • 傷に熱感や膿がある。または、周囲が腫れている

円形脱毛症

円形脱毛症はどんな病気ですか?

主に頭の一部に脱毛が生じる病気です。脱毛部は円形とは限らず、また複数生じたり、全身に及んだりすることもあります。
抜毛癖との鑑別が必要な場合があります。一般に、円形脱毛症は境界明瞭な完全脱毛となり、抜毛癖では境界不明瞭で不完全な脱毛となることが多いです。

円形脱毛症の種類
通常型円形脱毛症

円形に近い形に、頭部に部分的な脱毛が生じます。脱毛部位が1つに留まる「単発型」と、複数以上発生する「多発型」があります。

全頭型円形脱毛症

頭部全体が脱毛、つまり髪の毛がすべて抜けるタイプです。

汎発型円形脱毛症

頭部だけでなく、全身でも脱毛が起こるタイプです。

蛇行型円形脱毛症

頭部を蛇行するように脱毛が見られるタイプです。生え際に起こることが多くなります。

円形脱毛症の原因はストレスなのでしょうか?

直接的な原因は、毛根を包む組織に対して、免疫が過剰に反応してしまうこと(自己免疫疾患)だと考えられています。
精神的・肉体的ストレスは、直接的な原因ではなく、発症や増悪のきっかけと考えられております。
円形脱毛症は、甲状腺疾患、尋常性白斑、リウマチ、膠原病、1型糖尿病など、他の自己免疫疾患を合併することもあります。また、アトピー性皮膚炎の合併もよく見られます。

円形脱毛症の治療

免疫の過剰な働き、炎症を抑えることを目的として、ステロイドの外用を行います。重症例ではステロイドを内服する場合もありますが、合併症への注意が必要です。成人ではステロイド局所注射療注射も有効であることも示されております。
その他、血行を促進する塩化カルプロニウムの外用、炎症やアレルギーを抑えるセファランチン、グリチルリチン・グリシン・メチオニンの内服などを行うこともあります。液体窒素スプレーも約6割の患者で有効であったという報告もあり、当院でも実施できます(保険適応外)。
円形脱毛症の治療法は多岐に渡りますが、当院ではガイドラインに準拠し、エビデンスのある治療をご提案させていただきます。なお、当院では紫外線治療は実施しておりませんので、ご了承ください。

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