アトピー性皮膚炎
(成人・小児)

お子様のアトピー性皮膚炎

お子様のアトピー性皮膚炎お子様の場合、アトピー性皮膚炎に加えて気管支喘息、アレルギー性鼻炎、食物アレルギー等のアレルギー疾患を合併しているケースが少なくありません。
当院では、これらアレルギー疾患を総合的に診療して参ります。

お子様の皮ふの特徴

外部の環境から身体を守るための皮膚の機能を「バリア機能」と呼びます。その中で大きな役目を果たしているのが、皮膚の一番外側の層である角層です。
お子様の角層の厚みは、成人の3分の1~半分ほどのしかなく、なおかつ皮脂の分泌量が以下のように変化していきます。
1~6歳頃はバリア機能がもっとも低下しており、外部環境からの刺激・影響を受けやすい時期と言えます。

1新生児期

皮脂分泌のホルモン産生は未発達であるものの、お母様から受け取っているホルモンのため皮脂分泌の豊富な時期です。

2乳児期

生後2~3ヵ月頃から、皮脂の分泌量が低下していきます。

3幼児期

1~6歳頃は、生涯においてもっとも皮脂の分泌量が少なくなります。肌は乾燥しがちで、バリア機能も低下しています。

4学童期

思春期ごろから、男性ホルモンによって、皮脂の分泌が盛んになります。

原因と悪化させてしまう要因

アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能が低下している状態で、外部からの刺激が皮膚内に侵入し、本来は身体を守るはずの免疫機能が過剰に反応して起こるものと考えられます。
そして、皮膚への物理的な刺激(掻く、服が擦れる等)、ダニ、カビ、化学物質、紫外線、汗、疲労、睡眠不足、肉体的・精神的ストレスなどが症状の悪化を招きます。

増えている大人のアトピー性皮膚炎

近年、大人のアトピー性皮膚炎が増加傾向にあります。
その原因として、社会生活におけるストレスの増加、添加物などの影響が指摘されています。

アトピー性皮ふ炎を悪化させる要因

アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能が低下している状況で、以下のようなさまざまな要因が重なることで発症・悪化します。

例:黄色ブドウ球菌
  ダニ
  カビ
  汗
  ペット
  ストレスなど

アトピー性皮ふ炎の検査・診断

検査

血液検査にて、タンパク質の1種である「IgE抗体」、皮膚の細胞から作られる「TARC」の値を調べます。
その他、アレルゲンを特定するためにアレルギー検査を行うこともあります。

診断

国内外でさまざまな診断基準が設けられています。当院では、日本皮膚科学会のガイドラインに従って診断します。

アトピー性皮ふ炎の治療

外用薬
1)ステロイド外用薬

免疫機能の過剰な反応を抑制し、皮膚の炎症を沈めます。治療の中心的な役割を果たす薬で、もっとも重要です。
ただし、どの強さの薬をどこにどのくらい塗るのかが重要です。塗る量が不足すると、症状がなかなか改善しません。
当院ではFTU(Finger tip unit)という概念を用いて、塗り方を説明させていただきます。1FTUとは、軟膏をチューブから絞り出した時に、人差し指の先端から第一関節までの長さとなる量です。ローションなら、1FTUは1円玉大に出した量となります。1FTUは約0.5gです。1FTUの軟膏で、手のひら約2枚分の面積を塗ります。
薬を塗っている期間は良くなるけれども、止めるとすぐにひどい状態に戻るケースもよくあります。そのような場合には、プロアクティブ療法という方法でコントロールします。まず、湿疹が消えてしばらくするまで毎日薬を塗ります。湿疹が消えた後もぶり返さないよう、定期的に薬を塗って再燃を予防します。薬を塗る頻度は徐々に減らしていきますますので、長期的に安全に予防ができます。
院長も若かりし頃、アトピー性皮膚炎で大変悩みましたが、皮膚科学を学んでからは自分でしっかり症状をコントロールできる自信を持てるようになりました。アトピーでお悩みの皆さまにも、ぜひ「自分でコントロールできる」という自信を手に入れていただきたいと思います。そのためのテクニックをしっかりマスターしていただけるよう、丁寧に説明させていただきます。

2)免疫抑制薬・生物学的製剤(外用薬)

こちらも同様に、免疫機能の過剰な反応を抑制します。ステロイドである程度炎症が落ち着いた後、または寛解状態を維持する時、比較的軽症のアトピー性皮膚炎などに使用します。

3)保湿剤

湿疹を予防するためには、しっかり保湿して、皮膚のバリア機能を高めておくことが重要です。原則的に、保湿剤は毎日塗ります。

内服薬
1)抗ヒスタミン薬

かゆみを抑えるお薬です。かゆいから掻く、掻くことでバリア機能が低下するという悪循環に陥ることを防ぎます。

2)ステロイド内服薬

ステロイド外用薬で十分な効果が得られないときなどに使用します。免疫機能の過剰な反応を、より強く抑制します。
ただし、漫然と使用すると副作用が生じますので、いざというときにのみ短期間使用します。

3)免疫抑制薬(内服薬)

通常の治療で十分な効果が得られず、ひどい湿疹の持続する方が対象となります。内服中は、血圧、腎臓機能の変化に十分に注意していきます。

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