咳・続く咳・ぜん息

咳・続く咳

お子様の咳の症状

お子様の咳の症状お子様が以下のような咳・呼吸をしている場合には、何らかの病気の可能性があります。

  • 「コンコン」といった乾いた感じの咳
  • 「ゴホンゴホン」といった痰の絡んだような咳
  • 「ケンケン」といった犬が鳴くような咳
  • 「ヒューヒュー」「ゼイゼイ」といった呼吸音

以下の内容をともなう場合は医療機関を受診するようにしてください

熱性けいれんとは

  • 顔色、唇の色が悪い
  • 呼吸に合わせて肩を上下させている
  • 鼻をぴくぴくとさせながら呼吸をしている
  • 咳がひどく眠れない
  • 呼吸のたび、鎖骨、肋骨のあたりが窪む
  • 意識がもうろうとしている

咳をともなう疾患

かぜ

ライノウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、パラインフルエンザウイルスなどのさまざまなウイルスへの感染を原因として発症し、発熱、喉の痛み、咳、鼻水、鼻詰まり、頭痛などの症状をきたします。

ウイルス性クループ(急性喉頭気管支炎)

生後6ヵ月~3歳くらいのお子様によく見られます。
ケンケンといった犬またはオットセイが鳴くような咳、声枯れ(嗄声)から始まり、ゼイゼイという呼吸音、陥没呼吸(鎖骨の上・肋骨の下が呼吸のたびに窪む)、呼吸困難へと至ります。
夜間に重い症状が出た場合には、救急外来を受診してください。

副鼻腔炎

黄色っぽいドロッとした鼻水、鼻詰まり、後鼻漏、頭痛などに加えて、ゴホンゴホンといった痰が絡んだ咳が出ることがあります。

気管支炎・肺炎

それぞれ、風邪・インフルエンザなどの炎症が気管支・肺へと波及して起こります。
気管支炎では、発熱、咳、痰、首や背中の痛み・こわばりなどの症状が見られます。
肺炎では、発熱、咳、痰などの症状が見られます。

気管支喘息

気道が狭くなり、呼吸が苦しくなる病気です。
ゼイゼイ、ヒューヒューといった特徴的な呼吸音が認められます。加えて、咳症状を伴うことも多く、特に夜中・明け方に強く現れます。

咳喘息

乾いた咳を繰り返すけれども、ゼイゼイや呼吸困難を伴わず、ぜん息と診断できない状態を指し、気管支拡張薬で改善するのが特徴です。小児では比較的稀ですが、8週間以上咳を繰り返す場合には咳ぜん息の可能性もあります。
夜中から明け方にかけて、咳が強くなることが多く、運動、会話、タバコの煙、ほこり、花粉、エアコンの風、低気圧、ストレスなどが誘因となります。
当院では、気管支拡張薬への反応やアレルゲン検査などの客観的データを用いて、治療方針を提案させていただきます。また、症状の目立たない気管支ぜん息を見逃さないよう、年長児には呼吸機能検査も実施させていただきます。

アレルギー性鼻炎(通年性・季節性)

鼻粘膜がアレルゲンなどの異物を排除する際に反応が過剰になり、鼻水・鼻詰まり・くしゃみといった症状が続く状態です。さらに、咳、目の充血、皮膚の痒みなどの症状が加わることがあります。
ダニ・ペットの毛・真菌などハウスダストを原因とする「通年性アレルギー性鼻炎」と、スギ・ヒノキ・ブタクサなどの花粉を原因とする「季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)」に分けられます。

百日咳

百日咳菌に感染して起こります。名称の通り、コンコンという咳が長引きます。またしばしば連続して咳き込み、最後にヒューという空気を吸う音がきこえます。

気道異物

おもちゃや小さな部品などが、喉頭・気管・気管支などに引っかかっている状態です。
長引く咳、ゼイゼイ、ヒューヒューといった呼吸音が特徴的な症状です。

胃食道逆流症

胃酸の分泌過多などを原因として、胃液・内容物が食道粘膜へと逆流し、そこで炎症を起こしている状態です。
食道粘膜が荒れることから、喉の痛み、乾いた咳、呑酸、ゲップの増加、胸の締め付けられるような痛み、胃もたれ、食欲不振などの症状が見られます。乳児では、哺乳後の咳やゼイゼイしか見られないことも多く、重症例では体重増加不良を伴います。

心因性咳嗽(がいそう)

発作性で繰り返される咳が出ます。日中に症状が強い一方で、何かに集中しているとき、睡眠中には治まることが多くなります。
風邪をひいたときなどの経験で、咳をすることが無意識のうちに緊張を和らげる方法の1つとなり、風邪が治ってからも連続的な咳をしてしまうという説もあります。

小児ぜん息

ぜん息はどんな病気ですか?

気管支の急激な収縮によって、呼吸困難を繰り返す病気です。そしてこの発作のことを、喘息発作と呼びます。
小児ぜん息患者のうち、70%が3歳までに、90%が5歳までに発症すると言われています。

ぜん息の症状

アレルギーの影響が大きく、さまざまな物質に対して過敏に反応し、呼吸困難を繰り返します。

お子様は言葉で症状をうまく伝えきれないので症状を見逃さないように注意してあげてください

乳幼児が親御様に息苦しさを言葉で伝えることは難しく、それだけに親御様の普段からの観察が重要になります。特に、以下のようなポイントに注意して見てあげてください。

お子様の様子を見るときのポイント
  • すぐ不機嫌になる、泣いてしまう
  • 風邪をひくたびに、ひどい咳をしている
  • ゼイゼイ、ヒューヒューといった呼吸音がする
  • 走り回ったあとなどに咳が出ることが多い
  • 夜間から早朝にかけて特に辛そう

ぜん息の治療

炎症が長期間に及ぶと、気管支が硬化し、気道が元に戻らなくなることがあります(リモデリングといいます)。すると、大人になってからも呼吸機能が改善しないということも起こり得ます。
お子様のうちから、きちんとコントロールしておくことが大切です。

発作治療

実際に発作が生じたときに、その症状を改善する治療です。
狭くなった気管支を広げる気管支拡張薬や気管支の炎症を抑えるステロイド(内服薬または注射薬)などを使用します。

長期管理

長期的な視野で、気道の過敏性を押さえ、発作を防ぐことを目的とした治療です。
ステロイドの吸入やロイコトリエン受容体拮抗薬の内服を行います。また、気道を広げる薬を使用することもあります。

環境改善

ダニ、ペットの毛、真菌、花粉など、発作の原因となる物質が分かっている場合には、その物質との接触を避けます。

ぜん息は根気よく治療することでコントロールできる病気です

繰り返しとなりますが、ぜん息は、お子様のうちからきちんとコントロールしておくことが大切です。また、早期から適切な方法で、根気よく治療に取り組んでいけば、高い確率で症状をコントロールすることができます。
当院では、ガイドラインに準じたエビデンスのある治療を心掛けます。また、お子様、そして親御様のご希望に寄り添って治療を行って参りますので、どうぞお気軽に、また安心してご相談ください。

季節の変わり目によく咳がでる

季節の変わり目によく咳がでる「季節の変わり目ですから体調に気をつけてください」と言われるように、保育園や幼稚園、小学校などでは夏から秋、秋から冬などの季節の変わり目に風邪をひく子ども、咳をする子どもが増える傾向にあります。
咳などの症状が強い場合には、夜眠れない、呼吸困難に陥る、あるいは学業に支障が出るということもあります。

発熱はない、夜だけ咳がでる場合

発熱がなく夜に咳が出るというケースがときどき見られます。こういったケースは、「熱がない」「日中は咳も出ない」ということから、受診が遅れがちですが、ぜん息、咳ぜん息、アトピー咳嗽などが疑われます。睡眠の質も低下してしまいますので、咳だけだからと甘く見ず、お早目に当院へとご相談ください。

ご自宅でできる咳を和らげる方法

ご自宅でできる咳を和らげる方法

  1. 加湿器などで、部屋の湿度を50~60%に保ちます。
  2. 冬など、室温を上げ過ぎないように注意しましょう。
  3. 喉を刺激する冷たいものを避け、温かいもの・常温のものを摂りましょう。
  4. 背中を叩くと、咳・痰が出やすくなります。
  5. 発作のリスクを下げるため、部屋はこまめに掃除をしましょう。
  6. 寝る30分前にハチミツを飲むと、夜間の咳が出にくくなるという研究報告もあります。

※乳児ボツリヌス症になる可能性があるため、1歳未満の赤ちゃんにはハチミツを与えないでください。

お子様の咳・ぜん息、よくあるご質問

子どもが咳をしているのですが、咳止めを飲ませてもよいですか?

咳の原因が風邪以外の場合、咳止めだけで様子をみていては危険なことがあります。
すぐに来院できない場合を除き、まずは医療機関を受診することをおすすめします。

咳がひどいのでクリニックを受診し、現在薬を飲んでいます。しかしなかなか治りません。どうすればいいでしょうか?

何か、他の原因によって咳が出ている可能性があります。お薬手帳または飲んでいるお薬を持って、一度当院にご相談ください。

連続して激しい咳をしており、とても辛そうです。すぐ受診すべきでしょうか?

できるだけすぐの受診をおすすめします。ぜん息やマイコプラズマ感染症、百日咳、気管支炎、細気管支炎、肺炎、気道異物などの可能性もあります。

夜だけ咳をしています。他に症状はなく、日中には咳も出ないのですが、問題ないのでしょうか?

ぜん息、咳ぜん息、アトピー咳嗽などが疑われます。また、十分に睡眠がとれておらず、お辛い思いをしているかもしれません。お早目にご相談ください。

咳が長引いています。どのような病気が考えられるのでしょうか?

気管支喘息、咳ぜん息、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、百日咳、結核、マイコプラズマ肺炎、感染後咳嗽、誤嚥、気道異物、受動喫煙、心因性咳嗽、気管支拡張症など、さまざまな病気があり得ます。症状が咳のみであっても、長引く場合にはお早目にご相談ください。
当院では、血液検査(抗体価)、抗原迅速検査、ツベルクリン反応、アレルゲン検査、呼吸機能検査など、必要な検査を実施し、対処法や治療法を提案させていただきます。

喘息の検査では、どのようなことを行いますか?

症状の経過、家族歴、生活環境などをお伺いした上で、聴診、呼吸機能検査(スパイロメトリー)、アレルゲン検査などを行ったり、気管支拡張薬への反応を確認したりして診断します。

1歳の子どもが咳をしています。あるクリニックでは喘息だと言われましたが、違うクリニックでは喘息ではないと言われました。どちらが正しいのでしょうか?

乳幼児の喘息の診断は非常に難しく、そういった診断の違いも残念ながら起こり得るものです。
基本的に、5歳以下で呼吸のゼイゼイ、ヒューヒューいうエピソードが3回以上あり、聴診で呼気時にこれらの音が聴かれる場合には、乳幼児喘息として考えます。喘息の場合は、夜中から朝方にかけて咳が強くなります。
気管支拡張薬の吸入に反応がない場合には、他の病気の可能性も出てきます。
お困りの場合は、ぜひ当院でもご相談ください。

喘息の治療は、どれくらい続けるものなのでしょうか?

喘息の治療では、根気が必要です。早期に適切な治療を開始できれば、数カ月で発作がほとんど起こらなくなることもありますが、そうでない場合もあります。
また、発作がほとんどなくなったからといって、ご自身の判断で治療を中断するのは危険です。そのために発作を繰り返したり、発作に至らなくても軽い症状のくすぶりが持続すると、気管支は徐々に狭くなって元に戻らなくなる(リモデリング)ことがあるからです。
喘息の治療においては、長期的な計画に基づいて治療を継続していくことが大切です。

自宅で喘息かどうかの判断をすることはできますか?

風邪をひいたとき、季節の変わり目、ほこりや煙を吸いこんだときなどに、ゼイゼイ、ヒューヒューといった呼吸音がする場合には、喘息の可能性があります。
最終的な診断は、医師の診察・検査の上で行われるものですので、気になる症状があれば、ぜひ当院を受診してみてください。

小児喘息のうち、どれくらいが成人喘息に移行しますか?

小児喘息のうち、多くは10代に症状が改善していきます。ただ、全体のうち30%ほどは、成人喘息へと移行しているようです。
喘息も含め、アレルギーは基本的に慢性疾患です。当院では、小児期から成人期まで、一貫した管理をさせていただきますので、ご安心ください。

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