お子様のADHD
(注意欠如・多動症)
(注意欠陥多動性障害)

子どもの心と発達の診療時間

子どもの心と発達の診療は、完全予約制(30分枠)で承っております。
ご予約がない場合でも、一般診療の時間枠であれば受診していただけますが、その場合は5~10分ほどの診療となります。予めご了承ください。
初めてのご相談、あるいはじっくりと相談したいという場合には、専用の時間枠でのご予約をお願いします。
なお、30分の専用時間枠には、学校の先生などに同席していただくことも可能です。平日の日中になってしまいますが、学校で困り事などあれば、ぜひご検討いただければと思います(受診の一環となりますので、必ずお子様の健康保険証・医療証を持って、保護者の方も一緒にご来院ください)。

火曜日・金曜日:14:00~16:00

お子様のADHD
(注意欠如・多動症、注意欠陥多動性障害)とは?

年齢に比べて、注意力がない、落ち着きがない、じっとしていられないといった特性の認められる発達障害の1つです。
上記の特性によって、日常生活、コミュニケーションにおいて困難を伴いやすくなります。
学齢期のお子様の3~7%程度がADHDに該当すると推定されています。

お子様のこのような症状にお困りはありませんか?

  • すぐ気が散る、集中力が続かない
  • 忘れ物をしたり、期日を守れないことが多い
  • 落ち着きがない
  • じっとしていられない、立ち上がってしまう
  • 順番やルールを守ることが難しい
  • 指示の内容を理解しても、従うことが難しい

ADHDの3つの行動

不注意が優位であるか、多動性・衝動性が優位であるかはケースによって異なります。また、両者が混在するケースもあります。

不注意

注意力や集中力を維持することが困難です。
飽きっぽい、ケアレスミスが多い、忘れ物・失くし物が多い、提出物の期限を守れないといった傾向があります。

多動性

静かにじっとしていることが困難です。
一般に静かにじっとしているべきである場面で、ソワソワしている、立ち上がってしまう、走り出してしまう、騒ぎだしてしまうといった様子が見られます。

衝動性

考える前にとっさに行動に移してしまい、それで周囲の不評を買ったり、叱られたりすることがあります。
順番やルールを守れない、不適切な発言をしてしまうといった様子が見られます。
なお、不適切な発言や行動はASDのお子様にもよく見られます。ASDの子は、何故それがNGなのか分からないことが多いのに対し、ADHDの子では、NGなのは分かってはいるが、つい不適切な言動をとってしまうことが多いです。

ADHDの原因は育て方が原因ではありません

ADHDは、生まれつきの脳の一部の機能障害によって起こる発達障害のうちの1つです。
そのため、ご両親の育て方、愛情の注ぎ方が原因でADHDになることはありません。

ADHDの治療

ADHDの治療では、環境調整、トレーニング、薬物療法をおこないます。
子ども時代には、学ぶべき勉強やスキルがたくさんありますが、ADHDの症状によって吸収を妨げられるのは、非常にもったいないと思います。また、症状のために親や教師からよく叱られたり、友達関係のトラブルが多かったり、勉強が苦痛だと、自尊感情の発達にも悪影響を及ぼします。
ですので、ADHDは放置せず、なるべく早い段階から治療・支援を開始することが大切です。
まずは、一般診察(5~10分程度の診察)で気軽にご相談ください。
2回目以降に、少なくとも1回は30分の診察を受けていただくことをご了承ください。
なお、すでにADHD適正流通管理システムの患者カードをお持ちの方は、必ずご持参ください。

環境・トレーニング

環境調整

ご家庭、園や学校などの環境を整え、お子様の作業や勉強への集中をサポートします。
ご家庭でいえば、勉強時間はおもちゃや本などを見えないところに置く、といったことが挙げられます。
学校では、支援学級を利用し、集中しやすいよう少人数で、到達度に応じた内容を教えてもらったり、通常学級で補助の先生に手助けしてもらったり、座席を一番前にしてもらったり、通級教室を利用するなど、いろいろな方法があります。支援の必要度、ご本人やご家族の希望、学校側の事情(教員数の問題など)も考えて、相談していきます。

トレーニング

ソーシャルスキル(コミュニケーションや人づきあいの技能)、身辺管理(食事、歯磨き、身支度、片付け・整理整頓など)を向上させるためのトレーニングを行います。こういったスキルについては、定型発達の子と同じように、トレーニングにより向上させることが可能です。
学校以外にも、放課後等デイサービスなどで学ぶことができます。

ペアレントトレーニング

保護者様に、お子様との接し方(指示の出し方、褒め方、叱り方など)を実践的に学んでいただくトレーニングです。
子どもへの指導の仕方や褒め方、意欲の引き出し方などを学ぶことができます。お子様の困難を軽減するとともに、保護者様のご不安も軽減されます。
また、保護者同士の情報交換や仲間づくりの場としての意義もあります。
発達障がい者支援センターが実施する無料のプログラムもあります。

薬物療法

注意力、集中力、落ち着き、感情のコントロールには、脳内のドパミンやノルアドレナリンという神経伝達物質が関与しています。ADHDはこれらの分泌の不具合により起こると考えられており、その分泌を改善させる薬がADHDの治療に大変有効です。
ただ、本当に効果の高いお薬は、政府が認定した「ADHD適正流通管理システム」に登録された医師にしか処方できません。
当院院長はADHD適正流通管理システム登録医師で、幅広い薬の治療が可能です。
不注意、多動性、衝動性といった症状を改善させることによって、できるだけ多くのことを学べるようサポートすることができます。

ADHDのお子様の場合には、ほめる事が重要

ADHDのお子様に対しては、ほめる事がより重要になってきます。
具体的にどのようなほめ方がよいのか、ご紹介します。

1「できたこと」をほめてあげる

失敗は目につきやすくつい注意したくなりますが、できるだけ避けましょう。
その上で、些細なこと・毎日の習慣など、一般に当たり前とされることもそのたびにほめてあげてください。
お子様に自身をつけさせることで、「次もほめられたい」というの意欲が湧いてきます。また、親や先生から「認めてもらえた」と感じる経験の蓄積が、自己肯定感につながります。子どもは親の想像以上に「ほめてほしい」と思っているものです。
「また頑張ってほしい」と思うような子どもの行動を見つけたら、自然に「すごい!」「やったね!」と声をかける習慣ができるといいですね。

2お子様の「好き」を大切にする

ADHDのお子様は、好きなことに関しては飛び抜けた集中力を発揮することがあります。
まずはお子様の「好き」を大切にして、さらに伸ばせるようにサポートしてあげましょう。

3失敗させないためのサポート

ADHDのお子様も、自分が失敗したことは理解しています。そして、たとえ叱られなくても、自信を失ってしまい、意欲が低下することがあります。
「順番に並ぼうね」「もう少しで終わるから頑張ろうね」といった声かけ、勉強部屋の環境を整えるといった調整などによって失敗の数を減らしてあげましょう。
そして、うまくいったときにはしっかりとほめてあげてください。また、目標を達成できなくても、そこそこ頑張ってくれたら、それで良しとしてあげてください。

4身体を動かせる時間を小まめに作ってあげる

年齢を重ねるにつれ、「じっとしているべき場面」が増えてきます。しかし、その我慢が難しい子も多いです。
課題の途中では小まめに休憩を挟み、「身体を動かしていい時間」を確保してあげましょう。

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